高校入試の次の日

Aさんがやってきた

「ずっと勉強していたから、今日から何していいか分からなくて・・・」

Aさんはそう言って、いつものように教室にやってきた。

昨日は宮城県の公立高校入試が行われた日。

2022年度の入試は、募集定員13,880人に対して受験者が14,005人(平均倍率は1.01倍)だった。

宮城県内の多くの中学3年生が、今日は緊張や不安から解放された時間を過ごしているに違いない。

Aさんはすでに昨日、自己採点の結果を塾に報告していた。

目標の点数を突破していたので、報告を受けた際私は思わず目頭が熱くなった。

ただ、あくまで自己採点の結果ということと、数学易化の影響がどう出るかは考慮しておいた方はいいと思う、ということは今日会った時に伝えた。

いたずらに不安を煽る気はなかったが、気休めだけの言葉は逆にAさんに失礼だと思った。

高校受験と大学受験の違い

高校受験と大学受験の違いは、合格最低点の扱い方に現れる。

大学受験は合格最低点を読み切って出願する傾向があるのに対し、高校受験は合格最低点付近の合格は求めず、志望校のランクを下げることが多い。

大崎市内の高校で例を挙げると、古川高校(偏差値56)に合格する実力がありながら、万が一に備え古川黎明高校(偏差値52)受験に切り替える、といった具合だ。
※偏差値は「みんなの高校情報(宮城)」参照

気持ちは痛いほど分かる。

高校に落ちるリスクより、受かったあと学校の授業について行けるか心配・・・、という意見が面談をしていると多い気がする。

この辺りが、大学受験とは大きく異なる考え方となる。

もちろん出願する時期やタイミングも考慮する必要性があるため、一概に比較することはできない。

だが、もっと高校受験の情報が行き届けばきっと選択肢が変わってくるのだろう、とは思う。

現実を見据えて動き出す、ということ

しかしながら、どの高校に行っても、大学受験を目指すのであれば、今やっている勉強以上に勉強をしなければならない、という現実については意外と誰も教えてくれない。

そのためカラフル学舎では、3月の学習計画も生徒に提示し高校準備に備えるところまでフォローするのを常としている。

もう大学受験の準備は始まっている、と言いたいが、今週はゆっくりしてもらいたいところだ。

というわけで、今日は労いの言葉をたくさんかけて勉強らしい勉強はしなかった。

その代わり、今後の授業の方向性、具体的には高校生になってからの授業の進め方について話していった。

結果がどうなるとしても、勉強し続けることが次に繋がると伝え、英語の課題をしっかり出した。

Aさんもその方が助かるとのことだった。

合格発表は3月16日(水)。

例年だと午後3時に発表される。