「伝わらない」を知るからこそ、伝えられることがある〜教育と表現の交差点で得た学び〜

「伝わらない」を知るからこそ、伝えられることがある
〜教育と表現の交差点で得た学び〜

みつるん塾長です!

表現の難しさを知ったTikTok動画

先日、TikTokの動画を撮りました。なんとなくノリで撮った動画でした。

見返してみると、早口で、落ち着きがなく、言葉だけが先に出ているような印象でした。 「ああ、何も意識していないと、こう見えるのか」と、軽くショックでもありました。

そこで、少しだけ意識して、ゆっくり話し、動きを抑えて撮り直しました。 それだけで、最初の動画よりは、かなり落ち着いて見えました。

「最高にいい」と思えたわけではありませんが、少し意識を置くだけで、見え方は確かに変わる。 そのことを、あらためて実感しました。

昔も感じた「感覚のズレ」:インディーズ映画での経験

TikTokの動画を見返しながら、ふと、昔のことを思い出しました。 かつて、インディーズ映画に関わっていた時期があります。

現場で強く残っていたのは、「自分の中の感覚」と「映像として映ったときの印象」が、 うまく噛み合わない感じでした。 落ち着いて話しているつもりでも、画面越しに見ると、なぜか急いで見えたり、 逆に、感情が薄く見えたりする。

当時は言葉にできませんでしたが、 「思っていたのと違う」という違和感だけが残っていました。

舞台への情熱と再挑戦

さらに遡ると、舞台に立っていた時期もあります。 好きで、足かけ10年ほど、地方の某劇団でアマチュアとして活動していました。

紆余曲折があり、気づけば15年近く、舞台から離れていました。 正直なところ、もう舞台に立つことはないだろうと諦めていました。

それでも、「もう一回だけでいいから、舞台に立てたら」という思いが、 心のどこかに残っていました。 そして、まさかのタイミングで、コロナ禍に上演された舞台で、 その機会が巡ってきました。

オーディションを受け、結果として主役を任せていただきましたが、 それは誇れる実績というより、 「人生で最後の舞台だと思って向き合った時間」だったように思います。 とにかく食らいつくような気持ちで、稽古と本番に臨みました。

舞台と映像で求められる表現の違い

舞台では、映像で「落ち着いて見える」表現をそのまま持ち込むと、 今度は何も伝わらなくなります。 抑えた間合いや動きでは、感情や声が客席まで届かないからです。

逆に、舞台で通用していた感覚を映像に持ち込むと、どこか大げさに見えてしまう。 当時はその違いを整理できませんでしたが、 「またズレているな」という感覚だけが積み重なっていきました。

プロではないからこそ持つ敬意

単独で見れば、私は演技や舞台のプロではありません。 けれど、舞台という場そのものには、今も変わらず敬意を持っています。

だからこそ、表現力ワークショップを行うときは、 私がメインではなく、現場にプロの役者の方をお招きし、 きちんと子どもたちに手渡したいと考えています。 教育的な効果が高いと感じているからこそ、 まともに書いたことがないのに「台本を書ける」と言って 演劇関係者の方に自分を売り込んだのが懐かしいです(笑)。

大事なのは、続けること。やめないこと。

40歳を過ぎてからの挑戦と継続

台本を書くことも、舞台に関わることも、すべて40歳を過ぎてからの挑戦でした。 昨年は2本を書き、どちらも仙台で上演され、 今年もすでに1本、作品のご依頼をいただいています。

プロと呼ばれるほどのクオリティかはわかりません。 けれど、かつて諦めたはずの「もう一度」という思いを、 自分なりの形で果たせていることは、 本当にありがたいことだと感じています。

教育の現場で確実につながっていること

一見すると、塾の仕事とは無関係に見えるかもしれません。 けれど、これらの経験は、確実に指導の現場につながっています。

面接時の表現指導、作文指導、記述対策、各種志願理由書のサポート…
「どうすれば、この子の良さが、相手に伝わるのか」

その問いに向き合うとき、 かつて舞台や映像の中で感じてきた「伝わらなさ」の経験が、 そのまま役に立っていると感じることは多いです。

終わりに:立つ場所が変われば見えるものが変わる

映像と舞台では、
求められる表現も、動きも、間の取り方も違います。

どちらが上で、どちらが下、という話ではありません。
ただ、立つ場所が変われば、見えるものが変わる。

そうした経験を重ねる中で、
有名でもなく、表に出ることも少ない場所で、
情熱を持って続けている人たちの姿に、
自然と目が向くようになりました。

まだまだ試行錯誤の途中ですが、
この気づきを、これからも日々の指導に活かしていければと思います。

✨ 明日みんなに教えたい!発見クイズ

テーマから広がる、塾長と一緒に楽しむ知恵袋です。

この記事の作成・監修
加藤 充(みつるん塾長)
Kanauuu合同会社 代表社員・CEO/カラフル学舎 代表
教育学修士/ソーシャルデザイン研究者/スクールAI共同開発者
東北大学大学院にて教育学修士(教育心理学専攻)を取得。

2026年4月より宮城大学大学院 事業構想学研究科(ソーシャルデザイン領域)にて、地域教育とテクノロジーの融合を研究予定。
教育現場向けAI教材「AI先生NANDE」およびスクールAIの共同開発者として開発に携わり、

同プロジェクトは第20回 日本e-Learning大賞(経済産業大臣賞)を受賞。
AI×教育の実踐者として、東北大学・宮城教育大学等と連携し、学校教員向け研修・講演を多数実施。

STEAM教育の普及や、仙台二華中・古川黎明中・宮城県立高校入試の記述問題指導に定評がある。
英検・数検・漢検の地域会場運営を通じて学びの機会創出にも取り組み、

「地方からでも夢は叶えられる」を体現すべく、宮城県大崎市を拠点に首都圏との教育連携やAI教育事業を展開。
大崎市ネーミングライツ事業において、荒雄公園が「カラフル夢広場」として採択(2026年4月〜)。

教育・子ども・地域をつなぐ公共空間のデザインにも携わっている。
NPO法人おおさき地域創造研究会 理事、一般社団法人PLAY ART!せんだい 理事。

劇作家・面接対策本の著者として、表現力・コミュニケーション教育の分野でも活動中。