演劇教育科
社会生活においてまず目指すべきは「自立」すること。しかし「自立」は「一人でなんでもできる」という意味ではありません。なぜなら、社会は集団生活の場だからです。だから、自立には常に「コミュニケーション能力」が求められてきます。
この「コミュニケーション能力」を育む上で、今非常に注目を集めている教育手法があります。 「演劇教育」です。 すでに海外では学校の授業でも実践されており、子どもの成長過程において必須の教育とされています。 その演劇教育の効果は、近年日本でも注目されるようになり、各地でワークショップなど頻繁に開催されるようになっています。
カラフル学舎でも、2018年以降、文化庁の伝統文化親子教室事業として「子ども狂言教室」を開催し、また、即興演劇を主体とした「インプロ講座」の開催なども通じて「表現」によって大きく成長する子どもたちの姿を目の当たりにしてきました。2020年のコロナ禍においても、オンラインとインプロを組み合わせた「オンラインプロ」を開催するなど、演劇教育の可能性を追求してきました。
こうした活動が少しずつ認知されていく中で、いくつかのありがたいご縁が重なり、仙台の演劇関係者との交流が生まれ、定期的に意見交換をさせていただくようになったのが2020年後半。まさに「演劇教育」を仙台から発信しようという方々の中に私も入れていただき、塾として「演劇教育」とどう向き合っていけばいいか必死で勉強させていただきました。
そして2020年11月、演劇教育の第一人者であり劇作家の平田オリザ氏のワークショップ開催のお手伝いをさせていただき、後日行われたワークショップデザインの養成講座もなんとか無事修了し、機運としてはもういいだろうと。「やはり演劇教育は子どもの可能性をより豊かなものにしてくれる」ことを改めて確信し、今回、表現探究コースの軸としてスタートさせていただくことにしました。
詳細について
基本的には、短期の集中講座として開催していく予定です。テーマ、回数、定員を決めて年数回のイベント開催を目指しています。ただ、「演劇」と聞くとどうしても上演することが頭に浮かび「演技はちょっと・・・」と敬遠される方もいらっしゃいます。ですが、実際演技をすることは(ワークショップの内容にもよりますが)ほとんどありません。むしろ、自分自身と向き合いながら、いかに他者と向き合うか頭を使う場面が多いです。
つまり意図的に「コミュニケーション能力」を使わないと解決できない場面を設定することで、楽しみながら他者との関係性を深めていく活動が自然と展開されていくわけです。その結果、あらゆる出来事を「擬似体験」することが出来るため、自分自身の新しい感情に気づくことができる、当然学びが深まる、その結果共感力も生まれる、という好循環が生まれます。
ただ、そうは言っても、どれだけ思惑通りにいくかはまだ信じられないところがあるかと思います。そこで、すでに何度も企業や学校でワークショップを開催している演劇人の方々に講師をお願いすることで、(答えのない分野ではありますが)確かな手応えと教育的効果を実感していただけるようなワークショップをご提供していけたらと思っています。
もちろん、演技に興味のある方大歓迎です。普段からお芝居に携わっている劇作家や演出家、役者の方々と交流する機会はそうそうあるものではありませんし、貴重な学びになることは間違いないと思います。それから、演劇や演技に興味のない方でも、自分自身の新しい一面に気づくことで得られる学びはかけがえの無いものになる可能性を秘めていますのでぜひご検討いただければと思います。
また、演劇教育は、多文化共生へのさらなる理解が求められているこれからの時代において、非常に有効な手立てになることが期待されていると私は考えています。あらゆる立場を擬似的に体験できるということは、マイノリティ、マジョリティといった概念さえも飛び越えて、新しい時代のコミュニケーションにも繋がる学びにもなると感じているからです。そのためには、自らを「表現」し「探究」するスキルはどうしても求められてくるものとなってきます。それが分かってるからこそ、今「演劇教育」が必要とされている背景があることもぜひご理解いただけたればなと思っています。
ただ、最初はあまり難しいことは考えず、気楽にご参加いただけたら幸いです。
というわけで、演劇教育コースの第一期生募集します。
まずは一度ご連絡ください。
心よりお待ちしております。