簡単な問題をあえて難しく解いてしまうときの対応
みつるん塾長です!
簡単な問題を、あえて難しく解いてしまうとき
先日、授業中に簡単な連立方程式を暗算で解こうとしている生徒がいました。
一瞬、声をかけるのを躊躇いました。
暗算で解こうとする姿勢そのものは、決して悪いものではありません。
でも、少し考えてから、「ノートに書いて解いた方がいいかもね」と伝えました。
理由はシンプルです。
簡単な問題に時間を使うより難しい問題に時間を使った方がいい。
この生徒は、簡単な問題を「難しく」解いてしまっている状態でした。
本来、数学で大切なのは簡単な問題をどう解くか、ではなく、難しい問題を、いかに簡単に解くか。
そこに頭を使えるようになることだと思っています。
小学生だけど、中学生の範囲まで進んでいる
その生徒は小学生ですが、すでに中学生の内容まで進んでいます。
とにかく数学が大好き。
だからこそ、まずはこう伝えました。「挑戦しようとする姿勢は、本当にすごい」
これは本心です。
全部にチャレンジしたくなる気持ちも、できることを試したくなる気持ちも、とても大切なエネルギーです。
その上で、全部に全部チャレンジすることと、労力をいかに抑えながら問題をクリアするか、この2つは必ずしも同じではない、という話をしました。
伝え方は、かなり慎重に
正直、この手の声かけはとても難しいです。
伝え方を間違えると、せっかくのチャレンジ精神を摘んでしまう。
だからこそ、慎重に言葉を選いました。
暗算に偏った成功体験は、場面によっては大きな武器になります。
一方で、制限時間が厳しいとき
プレッシャーがかかる場面
ミスが許されないテスト
こういう状況では、かえってマイナスに働くこともあります。
追い込まれたとき、どう対応できるか
追い込まれたときに、どういう手順を選ぶか
どこで確実性を取るか
これは、数学的センスを磨く上でとても大切なポイントです。
暗算で粘ることも一つの選択。
でも、ノートに書いて整理することも、同じくらい価値があります。
「どちらを選べるか」が重要なんだと思います。
先々を考えての声かけ
今回は、今できるかどうか、ではなくこれから先、どう伸びていくかを考えて声をかけました。
正解が一つではないからこそ、指導する側も迷いながら、考えながら向き合っています。
それでも、この生徒がこれから出会う「本当に難しい問題」に向き合ったとき、少しでも楽に、少しでも強く立てるように。
そんな思いでの、ほんの一言でした。
補足と考察
今回のような声かけは、「暗算が良い・悪い」「書くべき・書かないべき」という話ではありません。
大切なのは、どの解き方を選ぶかを、自分で判断できるようになることだと考えています。
暗算で素早く解けることは、立派な力です。
一方で、すべての場面でそれが最適とは限りません。
テスト本番や時間制限のある場面では、
・ミスを減らす
・考えを整理する
・確実に得点する
といった視点も同じくらい重要になります。
そのため、「今は暗算でいく」「ここは書いて整理しよう」と、状況に応じて解き方を選べることが、学力を安定させることにつながります。
また、挑戦する気持ちは、何より大切です。
特に学年を超えて学習を進めている子ほど、「やってみたい」という気持ちが学びの原動力になります。
だからこそ、その気持ちは大切にしながら、少しずつ「力の使い方」も身につけていってほしいと考えています。
学習が進むほど、「全部を全力でやる」よりも、どこに力を使うかを考えることが重要になります。
今回の声かけも、今の理解度だけでなく、この先の学習を見据えたものです。
一人ひとりの様子を見ながら、その子にとって今、必要な声かけは何か。
それを考え続けることを大切にしています。
✨ 明日みんなに教えたい!発見クイズ
記事のテーマから広がる、皆さんと一緒に楽しむ知恵袋です。
教育学修士/ソーシャルデザイン研究者/スクールAI共同開発者
東北大学大学院にて教育学修士(教育心理学専攻)を取得。
2026年4月より宮城大学大学院 事業構想学研究科(ソーシャルデザイン領域)にて、地域教育とテクノロジーの融合を研究予定。
教育現場向けAI教材「AI先生NANDE」およびスクールAIの共同開発者として開発に携わり、
同プロジェクトは第20回 日本e-Learning大賞(経済産業大臣賞)を受賞。
AI×教育の実踐者として、東北大学・宮城教育大学等と連携し、学校教員向け研修・講演を多数実施。
STEAM教育の普及や、仙台二華中・古川黎明中・宮城県立高校入試の記述問題指導に定評がある。
英検・数検・漢検の地域会場運営を通じて学びの機会創出にも取り組み、
「地方からでも夢は叶えられる」を体現すべく、宮城県大崎市を拠点に首都圏との教育連携やAI教育事業を展開。
大崎市ネーミングライツ事業において、荒雄公園が「カラフル夢広場」として採択(2026年4月〜)。
教育・子ども・地域をつなぐ公共空間のデザインにも携わっている。
NPO法人おおさき地域創造研究会 理事、一般社団法人PLAY ART!せんだい 理事。
劇作家・面接対策本の著者として、表現力・コミュニケーション教育の分野でも活動中。

