いったい誰のための夏期講習なのか?

今年の夏期講習、カラフル学舎の出した結論

ご承知の通り、今年は新型コロナの影響で夏休み短縮が決まっています。

その中で、夏期講習を実施するとなると、土日を潰すなど、単なる詰め込みになる恐れがあります。

しかし、大手塾ではここぞとばかりに講習の生徒募集を前面に押し出しています。

巷では「この夏、学習の遅れを取り戻せ!」的なキャッチコピーで溢れていますが、実際どうなんでしょう?

そもそも、学校再開は国内ほぼ同じタイミングでしたので、学習に遅れは生じていません(学校のカリキュラム上の遅れはありますが、生徒が学習している内容は横一線という意味で)し、休校期間中も気持ちを切らさず一生懸命勉強をしていた生徒も多数いるわけです。

まあ、しかし、百歩譲って「不安感を煽る」広告は昔から良くありますし、これから通塾を考えている人には有効だとしましょう。

ですが、コロナ以前から在籍していた生徒にも同じように煽っているとしたら少々問題あり、かも。

なぜなら、そういった場合、学校休校期間中、生徒のフォローができなかった分を有料で行おうとしているのですから。

となると、いったい誰のための講習なんだ?と思われても仕方ありません。

ちょっとまずい気がします。

で、もっとまずいのは、夏だから夏期講習をします、という考えから抜け出せない点です。

もともと、夏だから夏期講習なのではなく、夏休み期間中にまとまった時間が取れるから講習をする、これが大前提なわけですよね?

でも、今年はその「まとまった時間」がない。

だから、どうしても無理やり感が漂ってしまう・・・。

とりあえず勉強すればいい、ってわけではないのに、それがまかり通ってしまう危険性をどうしても感じてしまうのです。

「まとまった時間」という意味では、今年の受験の一番の勝負どころは残念ながら春でした。

ここは絶対にそうなんです。

だったら、夏に挽回するしかないでしょ?ということになってしまいますが、何度も言いますけど、今年の夏に「まとまった時間」はありません。

ここに、夏だから夏期講習!というノリと言いますか、勢いと言いますか、とりあえず塾、という形で参加してしまうと、なかなか良くないことが起きてしまいそうなので注意が必要です。

例えば、休校期間中まったく勉強していなかったタイプの生徒がいきなり講習を受けたらどうなるでしょうか?

たぶん、生徒がどこが分からないかを把握した時点で講習終了となってしまう可能性が高いです。

だとしたら、それを防ぐために、ただでさえ短い夏休みに、さらに追加で夏期講習の授業を増やしますか?となってしまうわけです。

これは避けたいですよね。

何かがおかしいと思いませんか?

勝負どころは夏じゃない?

いつもの夏であれば、定期テストの結果、実力テストの結果を踏まえて新規ご入塾の方に夏期講習のプランをご案内させていただくのが塾です。

だから、苦手をピンポイントでしっかり叩ける、これが前提にありました。

でも、今年は指標となるテストがない(厳密にはある学校もありますが2つ3つと揃っていない)ため、塾側で苦手箇所(分からないところ)を探す時間が必要。

ということは?

塾側は分からないところを確かめて講習が終わりになりがち・・・。

となるわけです。

けど、申し込む側は不安だからやらないよりはマシと思いがち・・・。

いえいえ、本当はそうではなく、塾側も生徒の状況をしっかり把握してから講習を受けてもらえばいいだけなのです。
※7月に塾内中間テストを実施するのも、夏前に指標を作りたかったから。

と考えると、勝負どころは?

夏をあくまで苦手箇所を探すことに専念するとしたら、夏は通常授業で十分。

とにかく生徒の弱点を洗い出すのです。

となると、勝負どころは間違いなく「秋」。

9月の連休と10月の秋休みを併用した連休をどれだけ有効に使っていくかが本当に重要となってきます。

繰り返しになりますが、今年の夏は分からない問題をあぶり出す作業に特化すればいいのです。

そして、秋の特別講習で徹底的に演習をしまくり、アウトプットを促す、という計画。

カラフル学舎では、すでにこの準備を進めています。

※カラフル学舎の場合、そもそも平日15:30以降通い放題なので学習時間で不足は考えにくいというのも前提にあります。通い放題を利用して苦手をしっかり出し切る。これが本当に重要で、その後に講習という組み合わせが今は最も理にかなっていると考えています。

LINE公式アカウントで配信した内容

受験は戦略が何よりも大事。

休校期間中でもカラフル学舎の生徒は思いっきり勉強していました。

だとしたら、この夏、講習費をいただいてまでやるべきことは?と考えたとき、何かがおかしいと思ったわけです。

だから、むしろ、夏は用意周到に秋に向けて計画を練った方がトータルでは充実した勉強ができると私たちは判断しました。

以下は、本日保護者向けに配信したLINE公式アカウントの内容になります。

◆通い放題について
今年の夏期講習は、毎年恒例の「日中通い放題」は行いません。例年塾生は「全員参加」が基本でしたが、短い夏休みに講習を実施しても学習効果は薄いと判断し中止します。通常営業時間と計画的な自学を組み合わせることで十分サポート可能と考えています。
代わりに9月10月に秋期特別講習会を実施します。こちらは原則中3の参加は必須とさせていただきます。宜しくお願い致します。

◆個別指導について
こちらは必須ではなく希望者のみ受付けます。基本通常授業だけで十分サポート可能と考えていますが、
・中学受験予定の6年生
・5月6月にご入塾された中3
・高校生(特に高3)
・模試、入試問題の演習を行いたい生徒
はご提案させていただく場合があります。

個別は、あくまでオプション扱いです。

夏期講習期間だから、ということではなく通年で受付けています。

だから、今年に関しては、実質夏期講習はやらない、ということですね。

誰のための講習なのか、生徒にとって何が一番いいのか、どのタイミングがベストなのか、これを見極めるのが私たち塾屋の仕事だと考えています。

実りの秋を目指して、とにかく今は力をためる時期だと考えています。

もし、今塾を探していて、夏期講習をご検討されている際の判断材料にしていただければと思い今回の記事を書かせていただきました。