英語学習法の一例〜暗唱〜

塾って一体何やってるのか不透明じゃないでしょうか?

とりあえず英語の指導法の中から、今回は「暗唱」について考察していきたいと思います。

英語指導の大まかな流れ

塾での指導の流れは大体以下のような感じになります。

①課題を決める(教科書で構わない)

②暗唱を達成目標とする。

③それを前提に英文を読む。

④そのために音読を繰り返す。

⑤和訳(教科書ガイド参照)を確認しながら、音読に意味と感情を込めると良い。

⑥並行して文法を整理する(←e-learning教材すららで学習)。

⑦暗唱を(講師などに)披露する。

⑧暗唱が出来たら講師のナビゲートで言い換えを行う。

  • 主語の言い換え
  • 目的語の言い換え
  • 動詞の言い換え
  • 可能なら形容詞や副詞の言い換え
  • 否定文や疑問文にする言い換え

⑨これらを課題の文章に対して、ワンセンテンスにつき講師は3つ以上の発問する。

この課題の暗唱が単なる暗唱ではなく、言い換えをするための土台づくりと位置づけ、様々な表現に転用できることを実感してもらうことが暗唱の最大の目的。

コツは、時々ありえない情景が浮かぶ発問をすること。

例えば「犬が英語を食べる」等。

生徒の暗唱を上手くナビゲートし、言い換えのネタで盛り上げる努力をする(いつも無茶振りをするので今のところ生徒は笑ってくれますが、ここでスベると最悪です。講師の力量が試される場面なので緊張します)。

ここが完璧になったら、初めてワークをやります。

ワークの使い方は、少し長くなるのでまたいつか書きます。

他に、英単語練習も別に時間を取ってやっています。

暗唱について

暗唱がいいかどうか、というところは、生徒によっても定着度合いが異なりますので、一概にそればかりがいいとは思っていません。

けど、暗唱を目的にすると、一番させたい「音読」をするので、音読だけを課題に出すより断然いいだろう、という立場です。

というわけで、暗唱について何かいい文献ないかな、と思って改めて探したのですが、あまり見つかりませんでした。

その中で、ちょっと古いですが、以下の論文が実践的だなと思ったのでご紹介します。

英語学習方法の考察:音読,暗唱,筆写(小林2006)

https://www.eiken.or.jp/center_for_research/pdf/bulletin/vol18/vol_18_p30-p49.pdf

個人的には、暗唱の中に音読が含まれている、という考えだったので、分けて考えるというのが新鮮でした。

他におもしろいなと思ったのが3つ。

まず、実験の結果、音読、暗唱、筆写、ともに学習効果が見られた、という当たり前の結論が出た点。

次に、いずれも学習効果が見られた中で、学習者の印象からすると、暗唱が一番効果的だったと感じられた、という点。

それから、どの学習にも言えることですが「反復」と「継続」が何より一番大事、という点。

個人的には、今までやってきたことが問題なかったという意味で少し安心しました。

あと、これは違う文献に書いてあったのですが、暗唱すると本人の自信に繋がる、というのもありましたね。

どちらかというと英語が苦手な生徒と向き合う機会が多いので、自信をつけさせるというのは確かにそうかもなと感じました。

先日開催した、ニュージーランドの中学生とのオンライン交流会をやっているのも、結局は生徒に自信をつけさせたいと思ってるからですし。

今回は「暗唱」について書いてみました。

※注意
カラフル学舎は全員に暗唱を行なっているわけではなく、こちらで必要だと判断した生徒にのみ、いくつかある学習法の中から実践してもらっています。